「ブックトーク」をご存知ですか? 

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●ブックトークとは

ブックトークとは、テーマを決めて、図書館職員らが本の内容を紹介・解説するものです。
テーマに沿ったさまざまなジャンルの本を、読み聞かせや、あらすじ・作者の解説、本の感想などを交えて紹介していきます。多様な分野の本を目の前に広げられることで、本に対する親しみを増し、読書に広がりをもってもらえたら…というねらいがあります。最近は、小・中学校で多く実施されているようです。

ブックトークの様子

●第1回ブックトークの集い 今回のテーマは「約束」

2005年12月3日(土)の午後、愛知県図書館では初のこころみとなります、ブックトークの集いを開催しました。今回のテーマは「約束」です。主に10代向きの本を紹介するブックトークでしたが、小学生から大人の方まで、30名のご参加をいただきました。それでは、当日の模様をご紹介しましょう。

「約束」という言葉で何が一番に思い浮かびますか?最初は、おじいさんとの約束を守った女の子の話です。 「ルピナスさん−小さなおばあさんのお話−」(バーバラ・クーニー/さく、かけがわ やすこ/やく、ほるぷ出版)を読み聞かせしました。
ルピナスとは別名「のぼりふじ」とも呼ばれるマメ科の植物です。知らない花が本の中に出てきたとき、植物図鑑などで探してみるのも楽しいですね。「朝日百科植物の世界 5」(朝日新聞社)にはルピナスの群生写真が載っています。

次々と本を紹介していきます

続いては孫娘との約束を果たすおばあちゃんのお話。「西の魔女が死んだ」(梨木香歩/著、楡出版)。中学校に入学したばかりの少女まいは、学校に行けなくなってしまいます。パパは単身赴任、ママも仕事があるので、まいは田舎で一人暮らしの英国人の祖母のもとで暮らすことになります。おばあちゃんは孫娘のまいに「おばあちゃんが死んだら、まいに知らせてあげますよ」と約束します。どうやっておばあちゃんがまいとの約束を守ったのかは読んでみてくださいね。部分的に本文を抜き出して読みながらの紹介でした。

 

祖父・祖母との約束なんて子どもっぽい、という人には次の絵本を紹介しましょう。「サー・オルフェオ」(アンシア・デイビス/再話、エロール・ル・カイン/絵、灰島かり/訳、ほるぷ出版)です。おはなしは中世のイギリスで吟遊詩人によって語られていた長い詩がもとになっています。
王様であるサー・オルフェオは、竪琴の名手であり、美しいお妃をそれは大切に愛しておりました。ところがお妃は、ある日奇怪な国の大王に連れ去られてしまいます。オルフェオはお妃を連れ戻すために城を出て、竪琴ひとつでさまよった末、とうとうお妃を見つけ出します。そして奇怪な国の大王の前で竪琴を奏でて大王を魅了し、約束の褒美としてお妃を取り戻すことができました。

ブックトークの様子

あれ、その話知ってると思ったり、自分の知ってるお話とちょっと違うと思ったりした人がいるのでは。そう、このお話の源は、遠くギリシャ神話のオルペウス(オルフェウス)の話です。「ギリシア神話」(中村善也、中務哲郎/著、岩波書店)から、オルペウス神話を紹介しました。
実は日本の神話にも似たお話があります。「日本神話入門−『古事記』をよむ−」(阪下圭八/著、岩波書店)に、イザナキ・イザナミのお話として登場します。
この2冊はどちらも「岩波ジュニア新書」というシリーズのなかの本です。中高生を対象にすでに500冊近く刊行されています。コンピュータから文学まで、あらゆる分野の入門書としてすぐれたシリーズだと思います。興味のある分野のものを一度読んでみてください。

ブックトークの様子

最後は恋物語を。「禁じられた約束」(ロバート・ウェストール/作、野沢佳織/訳、徳間書店)。
場所はイギリス、時は第二次世界大戦が始まろうという頃です。主人公は14歳の少年ボブ。ボブは同級生のヴァレリーにほのかな恋心を抱きますが、ヴァレリーがボブの父の働いている工場長の娘だと分かり、身分違いだと思います。しかしひょんなことからボブはヴァレリーの家に招かれ、食事をすることになります。それをきっかけに2人は互いに惹かれあい、恋に落ちるのです。
ヴァレリーは病弱なため、学校も休みがちで、ボブが外へ連れ出してくれるのを心待ちにしています。そして、自分の命が長くないのを悟っているかのように、ある日、こんな約束をボブにさせます。

「よくこわい夢を見るの。迷子になってるのに、だれもさがしに来てくれないっていう夢。だから、約束して。もしわたしが迷子になったら、きっと見つけてくれるって」(71p)

それからしばらくしてヴァレリーは亡くなります。そして幽霊となって現われ、ボブに約束を果たさせようとするのです。ボブの様子がおかしいことにヴァレリーの父が気づきます。そして・・・ボブはヴァレリーから逃れられたのか?結末が知りたい方は読んでみてください。前半は恋物語ですが、後半は一転してホラー小説のような感じになります。
作者のロバート・ウェストールはすでに亡くなっていますが、イギリス児童文学の巨匠と呼ばれる人です。「“機関銃要塞”の少年たち」「かかし」などが代表作で、権威ある賞をいくつも受賞しています。多くの作品が翻訳されていますので、興味のある方は一度読んでみてください。

次々と本を紹介していきます

これでブックトーク「約束」はおしまい。プログラム*(PDFファイル57KB)をお渡しして散会となりました。会場の雰囲気が少しでも伝わったでしょうか。
参加された皆さま、どうもありがとうございました。

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