03 人間だけじゃない
更新日:2025年3月6日
ティーンのためのAichi Librarians' Choice
あるく
愛知県内の図書館員が、ティーンのみんなにオススメの本を紹介するよ!第5号のテーマは「働く!」
編集:愛知県公立図書館長協議会ヤングアダルトサービス連絡会
PDFファイルはこちらから→A・L・C あるく 第5号(冊子印刷用)
03 人間だけじゃない
『介助犬シンシアの物語 Good girl! Cynthia』 毎日新聞大阪本社/編 寺田 操/文 太田 朋/絵 大和書房 2003.2
介助犬を知っていますか? 体の不自由な人を助けるために、特別に訓練された犬のことをそう呼びます。
主人公は、事故で車いすの生活を送ることになってしまった“おじさん”と、彼の愛犬である介助犬のシンシア。
けれど、シンシアは最初から介助犬だったわけではありません。
どこにでもいる、いたずら好きの子犬だったシンシアが、介助犬としての「お仕事」を学び、「働く」ことで、おじさんや周囲にどんな影響を与えていったのか……。実際にあったことをモチーフにした物語です。
(碧南市民図書館 まる。)
この童話絵本以外に単行本・文庫本版の『介助犬シンシア』もあります。TVドラマ「シンシアー介助犬誕生ものがたり」にもなっているよ!
『<刑務所>で盲導犬を育てる』 大塚 敦子/著 岩波書店 2015.2
盲導犬候補の子犬を、人間のために働くのが楽しいと思えるような犬に育てることがパピーウォーカーの重要な仕事です。その大切な10ヶ月を、受刑者に社会復帰訓練として委ねるプログラムが島根の刑務所で導入されました。命あるものを世話し、その中で人と係わり、社会に貢献しているという経験をすることで、自分や他人を尊重できるようになっていく姿が丁寧に記録されています。
盲導犬ユーザーが受刑者に語った「自分で自分の居場所をつくるというのは、自分にできることは何かを探すこと」という言葉が印象的です。
(愛知県図書館 ほー)
『アレグリアとは仕事はできない』 津村 記久子/作 筑摩書房 2008.12
このお話は、自称・道具を愛する会社員ミノベと不具合しか吐かない大型コピー機・アレグリアが繰り広げる、小さな闘いの物語。読むと、働くの嫌だなぁと思ってしまう人もいるかもしれません。でも働くというのは生きるということ。やりがいを感じる高揚期もあれば苦労しかない停滞期もあります。ミノベの働き人としての心情に一文でも共感できたら、くすりと笑えるリアルなお仕事小説です。
(東海市立中央図書館 かなかな)