02 The 理系、The 文系
更新日:2025年3月6日
ティーンのためのAichi Librarians' Choice
あるく
愛知県内の図書館員が、ティーンのみんなにオススメの本を紹介するよ!第6号のテーマは「理系!vs 文系!」
編集:愛知県公立図書館長協議会ヤングアダルトサービス連絡会
PDFファイルはこちらから→A・L・C あるく 第6号(冊子印刷用)
02 The 理系、The 文系
『ここが一番おもしろい理系の話』 おもしろサイエンス学会/編 青春出版社 2018.3
「失恋すると、食事ものどを通らなくなるのは?」そんな身近な疑問200項目が「科学の目」を通して説明されています。なかなかキチンと答えられない理系の疑問を理論立てて説明できるので、雑談のネタにもなります。ちなみに失恋で食欲がなくなるのは、「ストレスで交感神経の緊張が高まり、副交感神経で機能している消化器系が弱くなって食欲が低下するから」だそうです。「失恋して痩せる」は科学的根拠のある事実だったのですね。
(碧南市民図書館中部分館 おさる)
『身近な疑問がスッキリわかる理系の知識』 瀧澤 美奈子/監修 青春出版社 2017.6
「花火はなぜあんなにきれいな色と形になるの?」「お風呂で歌をうたうと上手に聞こえるのはなぜ?」身近な疑問を物理や化学などの「理系の知識」でわかりやすくイラスト付きで説明をした本です。物理や化学が苦手な方、多いのではないでしょうか? そんな理系科目が苦手な人でも楽しく読むことができる1冊です。普段当たり前だと思っていることでも、この本を読んで新しい発見があるかもしれません。
(豊田市中央図書館 くるま2号)
『青の数学 [1] 』 王城 夕紀/著 新潮社 2016.8
熱中しすぎていつのまにか寝る時間を過ぎていた。そんな経験はありますか? 主人公の高校生・栢山〔かやま〕は、学校でもネット上でも数学の世界にのめりこんでいます。
全国の高校生たちと数学で戦うために。そして「数学って何?」という問いに対する自分の答えを探すために…。
恋愛や部活だけが青春じゃない! 数学が好きでも嫌いでも、自分との戦いの世界や何かに熱中する感覚を味わったことのある人なら、感じるものがあるはずです。
(武豊町立図書館 よみ)
続編の2巻も出ているよ!
『動的平衡 [1] 生命はなぜそこに宿るのか』 福岡 伸一/著 木楽舎 2009.2
「汝とは、汝の食べた物そのものである」から始まる第2章、ここから読み始めても十分に楽しめる。いや、理系アレルギーの方には是非ここからページをめくっていただきたい。
わたしたちの肉体は、タンパク質の集合体である。その肉体に、なぜ「いのち」が宿るのか? 生命とは何なのか? 壮大な物語を楽しんでください!
そして、少しも楽しめなかった方はこちら『動的平衡・ダイアローグ 世界観のパラダイムシフト』福岡伸一/木楽舎(2014年2月)、ノーベル賞作家カズオ・イシグロや世界的な建築家隈健吾との対話集です。
(あま市美和図書館 BAMUSEMAMA)
「2・生命は自由になれるのか」、「3・チャンスは準備された心にのみ降り立つ」という続編もあるよ!
『図書館の神様』 瀬尾 まいこ/著 マガジンハウス 2003.12
どこからも海が見える、とある高校で講師をすることになった清〔きよ〕は、文芸部の顧問となります。高校まではバレー一辺倒で文学にあまり関心のない清と、1人しかいない文芸部員の垣内君。「垣内君って、どうして文芸部なの?」「文学が好きだからです」「まさか」、などという2人のやり取りや、文芸作品に対する清の率直すぎる感想も楽しく、文学って色々な楽しみ方、捉え方をしていいのだなと思える1冊です。
(愛知県図書館 かえる)
『うたうとは小さないのちひろいあげ』 村上 しいこ/著 講談社 2015.5
高校生になったばかりの桃子は、短歌を詠む「うた部」に入った。不登校になった親友の綾美には「高校では友達を作らない」と約束してしまうのだが、桃子はうた部で短歌を詠むことがどんどん楽しくなっていく。反対に綾美の存在はだんだん重くなってきて…。
タイトルは短歌の上の句になっています。ぜひ本を読んで下の句を探してみてください。
(名古屋市鶴舞中央図書館 ちゆ)
『玄関の覗き穴から差してくる光のように生まれたはずだ』 木下 龍也,岡野 大嗣/著 ナナロク社 2018.1
若手の歌人の二人が、男子高校生二人の夏の一週間を短歌で描いた意欲作。登下校の道、授業中の机、放課後の教室の、そのときにしかない独特の空気感が17音というわずかな音の中に閉じこめられています。どのシーンもまるでカメラのシャッターを切ったときのように鮮やかです。短歌というとどうしても古くて難しいイメージでしたが、こんなふうに“今”を表現する方法もあるのだと気付かされた、短歌の新しい魅力に触れた一冊です。
(東海市立中央図書館 かなかな)
『リマ・トゥジュ・リマ・トゥジュ・トゥジュ』 こまつ あやこ/著 講談社 2018.6
短歌をつくる五七五七七の音をマレーシア語で言うと「リマ・トゥジュ・リマ・トゥジュ・トゥジュ」。
2年半ぶりにマレーシアから日本へ帰ってきた沙弥は、半年遅れで入学したクラスになじもうと必死でした。
しかし、延滞本の督促で有名な「督促女王」佐藤先輩に図書室に呼び出されてしまいます。
先輩が怖くてしぶしぶ図書室へ行った沙耶は、なぜか一緒に「吟行」に行くことに。「吟行」とは短歌を作るために町へ出かけることでした。先輩に言われて作った短歌はマレーシア語交りで、先輩に響きがいいと気に入られた沙弥は、クラスでは隠していた自分の思いを短歌にすることが楽しくなっていきます。
(武豊町立図書館 りんご)